2010年5月7日金曜日

空き巣が下見にやってきた

子猫の飼育担当である以上、
そうそう長時間の外出ができない。
日中、約6時間おきに餌やりがあるからだ。

昼前、自分の昼食の用意をしていると、
インターホンがなる。
作業服姿の男がモニタに映っている。

空き巣「ただいま、近所の工事の関係で、無料で排水口の点検に伺っております」
猫担当「その近所の人ってだれの工事ですか? そもそもあなたはどなたですか?」
空き巣「◯◯サービスの平山といいます」
猫担当「だから、その工事の依頼主はだれですか?」
空き巣「それは、個人情報につき言えません」
猫担当「個人情報? だれの工事かわからないのに『はい、お願いします』なんて言えるわけないでしょ。だれの依頼でやってるの?」
空き巣「それは、言えません」

防犯モード発動。
何かの工事の場合、事前に回覧で通知が回るし、
近隣の工事であれば、そこの家主がいっしょに挨拶に来る。

仮に近隣で工事があるとして、
うちの排水口と一体どんな関係があるのか?
個人情報だとぉ? 笑わせてくれる。
なんだかんだ言って、
排水口の無料点検と称し、
他人の敷地内を自由に"点検"して、
空き巣に入りやすそうな家を下見する算段であるのは明白。

猫担当「もう一度聞くよ。あなたは、誰の指示あるいは依頼でそのような作業をしてるんですか?」
空き巣「上からのあれで」
猫担当「はぁ? 上ってなに? なんて会社? どこにあるの? 名刺は?」
空き巣「無料サービスなのに、いやっていうんならやりませんよ」
猫担当「なんて会社ですか? その会社はどこにあるんですか? 名刺は?」
空き巣「じゃいいですよ」

さて、様子を見に家の前に出ると、
やつは、向いの家のインターホンを押して会話をしている。

向いの家は、どうやら”無料サービス”を了承したようだ。

その作業服姿の男は、門を開けて中に入り、
入念にあたりを見回し、敷地内を自由に"点検"したあと、
最後に申し訳程度にゴム手袋をして、
排水口の蓋を見るような素振りをしたものの、
その蓋を開けるでもなく、まもなく門から出てきた。

猫担当「ちょっと、なんて会社? どこにあるの? 名刺は?」
空き巣「な、なんで、出てきたんですか?」
猫担当「だから、どういう目的でそういうことしてんの?」
空き巣「目的って、排水口の無料点検ですよ。あんた営業妨害だ!」
猫担当「はぁ? なんの営業? なんて会社? どこにあるの? どこの工事? 名刺見せて!」
空き巣「名刺なんかないですよ。どこにあるかも言えません」
猫担当「怪しいなぁー。かなり怪しい。警察呼ぶぞ!」
空き巣「もういいですから、ついてこないでください」

名刺も持たずに営業もないだろう。
ましてや、どこから来たのかも言えない。
かたっぱしから、インターホンを鳴らして、
不在の家をチェックしていたわけだ。

そして運良く不在の家だったら、
”無料サービス”が受け入れられたフリをして、
「では作業開始しまぁーす」とか言って、
敷地内に入って自由に"作業"をする。

空き巣は、決して、
口の回りに無精髭があって、
頬被りをしていて、
地下足袋を履いて、
唐草模様の風呂敷を背負って歩いている。
という、まるでサザエさんに出てくるような外観ではない。

彼らは普通のセールスマンや、作業員のフリをして、
白昼堂々と、下見、訪問をするという。

その作業服の男は、
この近辺では"仕事"がやりにくいと思ったのか、
それ以上”無料サービス”で戸別訪問するのをやめて、
姿をくらました。

排水口の工事はしないのかよっ!

2 件のコメント:

  1. すばらしい。
      最近、人相を見に来ました、と若い女がチャイムを鳴らした。
     どう対応するのがよいか。
       顔写真を撮ることにしました。
      それと、住所、氏名を書かせる、防犯で警察に渡すためと  それらしい体裁の紙を出す。
     どうですか。頻繁に来るので。同じ女、その日によって、違うことを言うようで、声が同じに思える。

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  2. 「印相を見に来ました」というのなら、印鑑を売るでしょうが、
    「人相を見に来ました」とは、何かを販売しに来たのでしょうかねぇ~?

    きっと、何か不吉なことを言って怖がらせておいて、
    でもコレを身に付ければダイジョウブですよ♪ とかいって、
    開運グッズとかを販売するのでしょうか。

    基本、訪問してきたものは、
    「間に合ってます」が万能の答えですが、
    「人相を見に来ました」に対しては、
    「人相には自信がありますので、お引取りください」ですかね。
    どんだけハンサムなんだよ俺。

    数年前、太陽光パネル設置工事の営業が来て、その利点を熱心に語りだしましたが、
    「んで、ぶっちゃけ、その節約できた電気代で設置工事費を回収できるのは何年後になるの?」
    というこちらの質問に即答できなかったので、楽勝で撃退。

    太陽光パネル設置工事の営業だったら、そういう資料は必須アイテムでしょうが(笑)

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