【300文字小説】
届け先は…
久しぶりの休暇。今日は昼頃までゆっくり寝ていることにしよう。と思ったとき、枕元に置いてあったケータイが鳴った。
「お仕事中、申し訳ありませんが、大事なお知らせがございまして……」
最近こういう電話が多い。せっかくの休みなのにあまり嬉しくない。適当にあしらうことにする。
「どうでもいいけどいま仕事中なんで切りますよ」
「大事なお知らせを聞きたくないですか」
「はいはい。どんなお知らせですか」
「いますぐ、ありったけの現金を持ってきてください」
正体を現したな。こういうときは慌てず騒がず、騙されたふり作戦をして警察に連絡だ。
「で、どこに届ければいいですか」
「あなたの自宅です」
階下のキッチンで人のいる気配が……。
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