錆びたカミソリの刃、電線、鉛筆の芯、安全ピン、木の板。
昔、塹壕の中で何もすることがなくて、ありあわせの材料でラジオを作った兵士がいた。
令和2年の春、何もすることがなくて約50年ぶりに電子工作を始めた暇人がいた。
基本のゲルマニウムラジオ。キットを数社からかき集める。
性能はピンキリ。要領がわかってくると必要な部材をバラで注文して製作。
ゲルマニウムラジオというものは一筋縄ではいかないところが魅力。
シンプルなのに奥が深い。
なぜラジオを何台も作るのかという質問は無視。
苦労に苦労を重ねて蚊の鳴くような音をキャッチ。
でも、昔作ったやつのほうが音が大きく、高音質。
それを超えるものを作らないと50年前の自分を超えられない。
いろいろ調べたら判明した。あるときからイヤホンの素材が変更されたのだ。
まったく色も形もそっくりなのに中身が違う。
ずるい。
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