2020年6月29日月曜日

背中を押さなくていい

ニュースなどの街頭インタビューで紹介される一般の人のコメントが気になる。

話し言葉である以上、多少の「てにをは」が合っていなかったり、文脈上、言葉を略したりしている。

画面に出る字幕などではちゃんと訂正されていたり、省略された言葉が補足されているときは許せる。

ところが、たまに間違いが見逃されてそのまま放送されてしまうことがある。

いま見たニュースでは、ある人が「私はこういう活動を通して頑張っている医療関係者の方々の背中を押したいと思っています」と胸を張っていた。

これは明らかに誤用である。

「背中を押す」という表現は、誰かが迷っているときに一歩踏み出すきっかけをつくってあげる。決断を促す。という意味である。

応援をするという意味はない。応援になってない。医療関係者は迷ってなんかいない。

こういった小さなことが積み重なって、日本語がどんどんズレていくのだ。

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